私、お金持ちになっちゃいました!?


「綺羅…どうしたの?」



綺羅のもとまで駆け寄り
何の用事かと尋ねると




「今日…1ヶ月記念だろ?だから一緒にいたくて…あと千秋に見せてぇもんがある」




ちょっと得意気な顔をする綺羅
ほんと、子供みたい。


私にだけ見せる無邪気な笑顔




「1ヶ月記念日…覚えててくれたんだ」



「はぁ?俺が彼女との記念日忘れるようなやつに見えるか?」



私の言葉に顔をしかめると
やれやれと両手を広げる



私がそれに対して何も
言い返さないでいると



「行くぞ」



綺羅は短くそう言って
私の手を引いて歩き出した。



話すこともなくただ
2人で黙って



旅館の裏道を通っていく



「どこいくの?」



「もーすぐわかる………ほら」



裏道を抜けるとそこには大草原が
広がっていて…夜空には辺り一面
キラキラと星が輝いていた…



「わぁ!綺麗!!」



「だろ?」



キラキラと目を輝かせて
子供みたいにはしゃぐ私に
綺羅は爽やかに微笑む



さっきまで月の淡い光しか
知らなかったのに




その月の周りには
こんなにも綺麗に強く
凛と輝く星々があって…



なんだか凄く幸せな気持ちになるーーー。
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