私、お金持ちになっちゃいました!?
驚いて目を見開く綺羅
いや、そりゃそうだ
いきなり何言ってんだ私
「あっ、いや、そのっ!違くて!ただなんというか…綺羅が先生じゃなかったら、こんなコソコソしなくていいのになーと思って」
オロオロと慌てふためく私を見ながら
見開いていた目を細め柔らかな笑顔を見せる
私が不思議に思って小首を傾げると
綺羅はまっすぐ私を見据え
「俺は先生になれて良かったと思ってる」
真剣な顔でそう言った。
そしてそのまま言葉を続ける
「俺、最初あいつがお前連れてきたとき、正直また余計なことしやがってって思ってた。だから冷たい態度とったし酷いことも言ったけど、お前は逃げなかった。
あんなふうに言い返されたりしたのも初めてで、戸惑って、なんなんだこいつ…俺の調子を狂わすなんてやばい奴だって思った…いや今も思ってるけど」
そう言って悪戯っぽく笑う
「はぁ?ちょっとそれどーゆー意味!?」
「いーから聞けって」
綺羅に頭をポンポンとされ
仕方なく押し黙る
「とにかく、俺にとってお前は異様な存在で。教師の話を引き受けたのもほんとは、お前をからかうために面白半分で始めたし
だけど今は違う。好きになってからは…学校で一緒にいれる時間もすげー嬉しくて、例え表立ってみんなに堂々と付き合ってますって言えなくても、別に俺はお前と一緒にいれるなら、どんな形でも構わない。
家だけじゃなくて学校での違うお前見れんのすげー楽しい。」
ほんと驚くぐらい饒舌に
ペラペラ話す綺羅
でも表情から読み取れるくらい
ほんとに幸せそうで
さっきまで遠い存在だと
思っていたのが嘘のように
身近に感じられて
思わずぎゅっと抱きしめた
「ごめん…なんか私…綺羅のことやっぱり大人なんだなって思ったら凄い遠くに感じちゃって…
寂しいなって思って、もっと綺羅のこと堂々とみんなに私の彼氏ですって言いふらしたいなって…。
でも、綺羅の言う通り、学校で綺羅と一緒にいれるの私も凄い嬉しいし、家とはまた違った一面を見れて私も楽しい。」
ありのままの気持ちを
全て包み隠さず綺羅に伝える
抱きしめた体から
綺羅の温もりを感じる
今、綺羅はどんな表情(カオ) してる?