私、お金持ちになっちゃいました!?
城島くんの声じゃないな…
そう思いながら顔をあげると
そこには昨日旅館でぶつかった人がいた
「あ、昨日の…」
「やっぱり君か!奇遇だね」
「そうですね…あの…本当昨日はすみませんでした」
私が再び昨日のことに
深々と頭をさげると
「いや、いーから!そんな謝んなくても!そんなことより昨日名前聞き忘れたんだけど…」
そう言うと目の前の
男の人はふわっと笑う
「あ、名前…!私、東雲 千秋って言います!東華高1年です」
「東雲さん…しのっちって呼んでもいいかな?」
「あ、構いませんよ!あの…それであなたは?」
私の返事を聞いてなんだか
嬉しそうに微笑む彼に
恐る恐る名前を尋ねる
「あぁ、ごめん!俺は霧ヶ峰 誠人。東華高2年だよ」
きりがみね まこと先輩
初めて聞いたな…。
「霧ヶ峰先輩ですね!覚えました!たぶん…」
「たぶんって…!」
私の言葉におかしそうに笑う先輩
そこで「ちーちゃん!」 と
城島くんの私を呼ぶ声が聞こえた
「城島くん!!」
私が城島くんを呼ぶと
小走りに戻ってきて
「それじゃあ…俺はこれで。もし学校で会った時はよろしくね?」
そのタイミングで霧ヶ峰先輩が
バイバイと手を振りベンチから
背を向けて歩き出したーーーーーー。