私、お金持ちになっちゃいました!?



「せ、先輩!どいてくださいっ!」


「お?本格的に焦ってきた?可愛いねぇ。ねえ、しのっちの好きな人って松韻 綺羅だよね?」



栗色の瞳がギラっと光る
とてつもなく悪い顔で舌なめずりを
する先輩の姿に思わず身震いする



怖い!!



というかなんで知ってるの!?
でも、肯定しなければ…



「ち、違います!何言ってるんですか?」



私が嘘の言葉を述べると
とたんに先輩の顔が歪んだ



「嘘は良くないな…だって俺見たし。2人で旅館抜け出して星空の下でキスしてるとこ」



なんだか悔しそうな
切なそうな顔で私の
唇に自分の人差し指を当てる



なんなの?
悪魔のような顔したり
そんな悲しい顔したり



「ちなみに証拠もあるから。バラされたら困るよねぇ?」



急に悪魔顔に戻った先輩が
私の唇から人差し指を外し
私の耳元でとんでもないことを言った



証拠…?バラす…?
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