私、お金持ちになっちゃいました!?
「あー!もー!ビビらせんなよ!」
突然、声を荒らげた綺羅が
私を引き寄せ抱きしめる
「わっ!いきなり引っ張んないでよ!」
「うるせー。で、今その話するってことは…あいつとなんか関係あるってこと?」
「さぁ?わからないけど…ただ、温泉旅行で私と綺羅が抜け出すの見て、なんか証拠とったらしくてバラされたくなきゃ俺を選べって言ってた」
「はぁ?意味わかんね…。てか別にバレてもそれはそれでいいんだけど。どのみち、来年には俺いないし。」
「あ、そっか…なんかあの時めっちゃ焦ったけど、産休の先生帰ってくるもんね!あ、でも育休とかはとったりしないのかな?」
「………………、まぁ…一応警戒しとくか」
私の言葉に一瞬フリーズした綺羅が
ちょっと不安げに言葉を繋げた
「そうだね」
「で?そいつなんて名前?」
「霧ヶ峰…なんだっけ?誠人だったかなー?あんまちゃんとに覚えてないや」
「霧ヶ峰…あーマジか」
先輩の名前を口にした途端
私から離れて頭を抱えだした綺羅
え?いきなり何?
「どうしたの?」
不思議に思い首を傾げながら
聞くと、綺羅は困ったような顔をして
「そいつ2年の間ですげー悪名で名高いやつじゃん。俺が言うのもなんだけど…めっちゃ女癖悪いって」
バツが悪そうに俯く。
別に綺羅のことは気にしてないのにな…
むしろ綺羅の事を深く知れたから
私としては凄く嬉しい。