私、お金持ちになっちゃいました!?
案の定先輩は空いた方の手で
壁を思い切りダンッと殴ると
勢いよく私の顎を持ち上げた
やばい怒らせたーーー?
けど私の視界に入った先輩は
怒ってはいるんだけど…
なんていうか悔しいとか
悲しいとかそんなような
顔をしていて
え?
思わず目を見開いてしまう。
なんで先輩がそんな
辛そうな顔をしてるのーーー?
「なっ、んで…覚えて…ねんだよ…」
今にも消え入りそうな声で
苦しそうに呟く先輩
私は、顎を持ち上げられているせいで
先輩から目を逸らすことすらできない
覚えてないって何を?
「俺の方が…1番最初に好きになったのに…。」
そう言って私に近づく先輩
あぁ、キスされちゃう
そう思った瞬間
「それ以上…千秋に近づくんじゃねえ!!」
怒鳴り声と共に
ドゴォンと鈍い音をたてて
先輩が目の前からいなくなった。