私、お金持ちになっちゃいました!?



「綺羅!」



勢いよく綺羅のもとへ
駆け寄り服の裾を
思いっきし掴む



キスされずに済んだーーーーー。



幸い周りには誰もいなくて
私たち3人に不穏な空気が漂う



先輩はペッと唾を吐き捨てると
唇が切れたのか血が出ているところを
ゴシッと拭ってゆっくり立ち上がる



その顔はなんか怒りとか
憎しみとか妬みとかそんなんじゃ
表せないほど酷く冷めきっていて



「俺を忘れたこと後悔させてあげる…。どんな手を使ってでも奪いにいくから」



それだけ言うと先輩は
その場から姿を消したーーー。



覚えてないだとか
忘れただとか…



一体、先輩は何の話を
しているのだろう…



「あいつ何言ってんだ?」



綺羅も不思議に思ったのか
少し首を傾けて眉を潜める



まあ、どうせ…
学校側に綺羅と私のこと
バラして私たちを追い込もう
ってことでしょ



綺羅自身はもともとなりたくて
教師やってたわけじゃないから
別に辞めても構わないし、辞めれば
他の教師や生徒からあれこれ
言われることもないし



学校側も、、、
できることならわざわざ
自分の高校の教師が生徒に
手を出してましたなんて
公表するのは避けたいはず。



なーんて、甘く考えてた
罰なのだろうか?



予想の遥か上をぶっ飛んでく
事態に私はただただ目を
見開くことしかできなかった…




その日の夜



綺羅のお母さんと先輩が
松韻家に訪れたのであるーーー。
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