私、お金持ちになっちゃいました!?



「なんなのよ…綺羅。あんたまだ彼女殺されたこと恨んでんの?本当、成長しないわね…愚図でノロマで頭の悪い女1人殺したぐらいで馬鹿みたいに閉じこもって…そんなんだからまた失うのよ」



ーーーーーーーーーーーっ!?



信じられない!!
人間として終わってる!!




綺羅はギリッと唇を噛んで
悔しそうに苦しそうに
顔を歪めながらこちらを見る



「まぁ、勘違いしないでちょうだい。馬鹿なあんたが思ってるようなことはしないわ。私は愛息子の為に、この子と誠人を結婚させるだけだから。ちょうど1年後の今日…誠人が18歳になったら式をあげるわ」




そう言って綺羅を嘲る綺羅母。



同じ血の繋がった息子のはずなのに
自分の愛した人の態度によって
息子への態度も変えるなんて
信じられない



ダメだよ綺羅ーー!!
諦めないで私を…!



「じゃ、行くわよ」



綺羅母が黒服に合図をすると
私を担いでいる黒服が歩き出す



このまま連れてかれるなんてやだよ!


既に希望を失って心を
また閉ざしかけてる
綺羅に向かって
大声で叫ぶーーーーーーーー



「諦めんな馬鹿!!私が好きなら助けてよ!絶対必ず助けにきて!迎えにくるって約束しろ!!綺羅!!」




その瞬間、綺羅の瞳が大きく揺れて
バッと目が合う



「行く…迎えに行く!!ぜってぇ離さないから、待ってろ!約束だ!!」



その表情にはもう
一切の迷いなどなく



私はそのまま連行され
車の中に押し込まれた。



信じてる…信じてるから!!
必ず迎えに来て…



私が先輩のものになって
しまう前に助けに来てーーー。




東雲 千秋16歳



悪戯な運命の糸によって
大好きな人と引き離された私




運命に抗う為なら
私も負けない…泣かないよ



だから大好きな綺羅と
必ず私を助けに来てって




*約束しちゃいました*
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