私、お金持ちになっちゃいました!?
*誠人 side*
俺が東雲 千秋と出会ったのは
東雲 千秋が生まれてすぐのことだった。
「誠人…父さんの友達の家に女の子が生まれたそうだ。一緒に見に行くからついておいで…。」
そう言って父さんに
連れて来られたのは
東雲家で…
お世辞にも立派とは言い難い
まぁ普通に普通の一軒家
「ほら、誠人くん」
そう言って父さんの友達は
赤ちゃんを抱き抱えて
俺に見せてくれた
その赤ん坊はとても
可愛いらしい顔で
スヤスヤと眠っていて
1歳の俺は言葉もままならない
ガキのくせに何故か…その自分よりも
小さくて暖かな存在に心惹かれた
それから俺が4歳
千秋が3歳になるまで
いつでも片時も離れることなく
常に一緒にいて遊んでいたけど
親の都合で海外に
行かなきゃ行けなくなった
俺は3歳の千秋と泣く泣く
お別れをしたんだ。
「千秋、僕がいなくても大丈夫?泣かない?」
「やだやだ!千秋、まこ兄とお別れしたくないよ!まこ兄行っちゃやだ!」
別れ際、泣いてすがりつく
千秋の頭を撫でながら
「困ったなぁ…」 と苦笑い。