私、お金持ちになっちゃいました!?



何も言わない千秋を残して
部屋を出ようとドアノブに
手をかけた瞬間



「先輩!!」




千秋に呼び止められた。



俺が何も言わずに
振り返ると千秋は
そのまま言葉を続けた




「あの…先輩。長い間…私のこと好きでいてくれてありがとうございました…気持ちはとっても嬉しいです。でも、私にはもう綺羅以外の人は考えられません…先輩…ごめんなさい。おやすみなさい」



にっこりと笑う千秋から
これ程辛いことはないだろう
ってぐらい残酷な言葉が漏れる



俺の気持ちを肯定してから
突き落とす…君は本当に残酷な人だね。



俺は小さく微笑み返して
そのまま部屋を出た。



お願いセンセ…
早く千秋を迎えに来て



これ以上、俺が罪を
重ねてしまう前に



はやく彼女を
取り返してよ



お願いだから
俺も救ってよ



この深い深い苦しみから
俺が解放されるのは
いつになるだろう?



願わくば千秋が早く
あいつのもとへ行って
俺に傷つけられることなく



毎日をたくさんの幸せと
たくさんの笑顔で溢れた
楽しい生活を送れますように。




*誠人 side END*
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