私、お金持ちになっちゃいました!?
お父さんは海外出張に出たまま
帰ってきておらず…
そもそも私が結婚してしまう
こと知ってんのかな?と心配になる。
「千秋様、お父様のかわりに私がヴァージンロードをお供します。」
私が会場の扉前まで来ると
霧ヶ峰家の執事が頭を下げてきた。
「はい、お願いします」
私はふわりと笑って
執事の腕に手を添える
そして…扉は開かれたーーーーー
盛大な拍手で迎えられる中
私は執事と一緒にゆったり
ヴァージンロードを歩く
目の前でタキシード姿に
身を包んだ先輩が
にっこり微笑んで
佇んでいた。
とても盛大に祝われているけれど
私の知ってる人は誰一人いない。
でも、きっと来る。
大好きな人が。
待つことしかできない
無能な私にできることは
ただ信じるだけ。