私、お金持ちになっちゃいました!?
「ていうかしのっちも学習しないね~、俺と二人きりになって何があったらどうするつもり?」
先輩が優しい笑顔から一変
悪戯な笑みを浮かべると
私を引き寄せて
顎をグイッとあげる
私はしばらく先輩を見つめ
そしてフッと笑って言った
「先輩はそんなことしませんよ」
だって先輩…
私を攫ってから1年間
一度も私に触れなかった。
連れ去る前はあんな強引だったのに…
でも、それが本当の先輩でしょ?
根が優しい人だって私は知ってる。
結婚式前に抱きしめられた
1回しか私に触れなかった。
「あーあ、そんな優しい顔で見つめないでよ…本当、ちょーし狂う」
突然、困った顔で目を伏せると
先輩はスっと私を解放した
その時
「千秋!!」
私の大好きな声が聞こえたーーー
「おーっと、騎士の登場だね♪じゃ、俺はこれで失礼するよ…とにかくおめでとう」
そう言って先輩は私の頭を
撫でたあと、手をヒラヒラさせて
去っていったーーーーーーーーー。