私、お金持ちになっちゃいました!?
に、逃げなきゃ!
反射的にそう思ってしまい
駆け出そうとしたが
時すでに遅し
ぎゅっと腕を掴まれてしまったーーー。
「何で逃げんだよ」
「いや、別に…その…つい反射的に」
「覗き見とか趣味わりぃな、お前」
さっきの女子生徒に向けてた時の
爽やかな笑顔とは違って明らかに
不機嫌そうな顔をしている。
こいつ私にだけ毎回冷たくない!?
ってそれはどうでもよくて…
「先生にお願いがあるの!」
「お願い?」
「その…えっと」
「早く言えよ、鬱陶しい」
「と、友達とうちで勉強会したいんだけど…連れて行ってもいいかなって」
なんかちょっと恥ずかしい…
こいつにお願いするのなんて初めてだし
そもそも許してくれるのだろうか…
「いいよ」
あれ、意外にもあっさり…
許してくれた!!
「ありが…」
私が喜んでいるのもつかの間
「そのかわり」
言いかけた言葉を遮って
掴んでいた腕をグイッと引き寄せ
ちゅっ
何か柔らかいものが唇に触れたーーーーー。