私、お金持ちになっちゃいました!?
「私はお召し物を着せて差し上げただけです」
「ありがとうございます」
そこでメイドさんが
急に真剣な面持ちになり
私を見つめ押し黙る
「どうかしたんですか?」
沈黙が苦手な私は
思わず聞いてしまった
「千秋様…綺羅様はちょっと性格歪んでおりますが、本当はとても優しい子なのです。」
急に語り出したメイドの言葉を
何故か私は邪魔できずに
聞き入ってしまったーーー。
「小さい頃は、とても純粋で優しくて毎日太陽のような笑顔で辺りを照らしてました」
懐かしそうに顔を緩ませるメイドさん
「ですが…ある日を境に綺羅様は笑わなくなってしまいました。原因は私も分かっておりませんが、きっと何か辛いことがあったのでしょう」
さっきの微笑ましさとは
打って変わって悲しい
笑顔をする彼女に
何故だか私も胸がチクリとしたーーー。