私、お金持ちになっちゃいました!?
「ちわーっす」
相田の後から続いて
尊が顔を出す
明らかにあれは
俺を睨んでいる。
まあ、無理もないか
本人は全く気づいてないが
あいつは千秋のことが好きなのだ。
「よく来たな」
「ここじゃ広すぎるから私の部屋行こーっ」
千秋が階段を上がり始めると
2人もあとに続くーーーーー。
なんでわざわざお前の部屋に
男連れ込むんだよ
なんかムカつく…
あいつは俺だけを見てればいい
俺から離れないように
ハッ!!
何を考えているんだ俺は…
あいつがいると心が乱される。
誰も信じない、利用できるやつは
利用する…そうやって生きてきた俺が
あんな女にこんなに調子狂わされる
なんて思って無かった…
でも、それと同時にこいつなら…
という淡い期待も生まれてるのは確かで…
「俺はあいつをどうしたいんだろう…」
誰も居なくなった広間に
ボソッと呟いた声は
悲しみを帯びて消えたーーーーーー。
*綺羅 side END*