私、お金持ちになっちゃいました!?
え、あの爽やかさは…
ってそんな場合じゃない!
これは立派な誘拐なのでは?
「ちょ、ちょっと!いきなり執事だの訳わかんないこと言ってなんなの!?」
「運転中に話しかけるなクズ女」
ムカッ
「ちょっとさっきからクズ女って…アンタ何様のつもりよ!?」
「いいから着いたぞ、さっさと降りろノロマ」
なんなの!?この人!?
最初と全然態度違うじゃん
それにこんな豪邸私は知らない
金持ちだった記憶もない
一体、何がどうなってるの?
松韻 綺羅(しょういん きら)
とやらの後に続いて屋敷内に
入るとすぐそこに見覚えのある姿が…
「ち、千秋!!」
「お、お父さん!?どうしてここに!?」
涙目になっているお父さん
「ごめん千秋…父さんを許してくれぇええええ」
なんやら訳の分からないことを叫びながら
走り去って行ったお父さんの背中を
ただ呆然と見ていることしかできなかった…