私、お金持ちになっちゃいました!?
「君が千秋さんかね」
不意に後ろから声が聞こえ
松韻 綺羅も同様に後ろへ
視線を向ける
「私は松韻 智久。そこの松韻 綺羅の父だ」
え!?
「事情を説明したいと思うのだがよろしいかね?」
そう言った智久さんの目は
凄く真剣だったーーーーーーーー。
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ふむふむ…
客間に通され智久さんの話を
聞き終えた私は頭の中を整理していた。
私のお父さんが不注意で飲み物を
飛ばして、社長である智久さんに
頭からぶっかけてしまい
それの代償で私がこの松韻家に
娘として住むことに…なるほど…って
納得できるかぁあああああ!!
「いや、いくら何でも…」
「お願いだ。そこの冷徹人間の綺羅に少しでも陽の光を与えてあげたいのだ…その為には君みたいな可憐な娘が必要なのだよ…」
潤んだ瞳で手を合わせ
子犬のように尻尾を振る
この人本当に社長なのか?
「うるせぇ、頼んでねえ」
「ちょ、ちょっと!お父さんに対してなんて口の聞き方を!」
「あ?」
「いいのだよ…千秋さん」
困ったような悲しげな瞳で
笑ってみせる智久さん
私の耳元まで近づき
「でも君なら変えられると思うのだ…綺羅を。」
そう呟いて行ってしまった。