トシノサ恋 〜永久に…君に〜 番外編
「……そうなん…だ…」

彼は、力なくそう一言うと静かに席を立って玄関に向かった。紗和の言葉一つでさっきまでの敵意が嘘のようにしぼんでいる。
こんなに分かりやすく落ち込むなんてな…。
俺とは真逆な人間だと思った。
紗和がこんなに、はっきりと言うなんて意外だったが、その言葉に心底ホッとしている自分がいた。

「えっ…もう終わり?

何?どうしたの……?」

俺はわざとらしく、余裕を見せるように彼の後を追って行く。
本当は、そんな余裕なんてないのに…。

「…いや…やっぱ…学校で話します。

お邪魔しました…。」

そう言って、出ていった。
これからも、学校で会うんだな…。

「……紗和…何なのアイツ?」

俺が首を傾げながらリビングに行く。

「…わからない……。」

「わならないって…いいの?

用があったんじゃないの?

あっ…もしかして……

紗和に告白しに来たとか?

俺…邪魔したかな?」

……っっっ!!

「……はっ…な、何で?」

「アハハ…バカっ…冗談だよ…

アイツと紗和じゃ…

年、いくつ違うと思ってるんだよ…。

本気で紗和を好きになる訳ないだろ…?

あれくらいの時期は本当に

毎日が発情期だから…気を付けろよ…?

俺がいない時は部屋には上げるなよ…。」

紗和、何で焦る?
ただの生徒だろ?
…胸が騒がしくなっていく。
それでも俺は、余裕の表情で笑った。

「……そ…だね。」

彼女の顔が曇っていく…

ズキン…胸が苦しくなる。
嫌だ…アイツの事なんて考えるな…
俺は、紗和の腕を引っ張ってソファに押し倒した。
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