トシノサ恋 〜永久に…君に〜 番外編
その年の冬…親父が倒れた…
殺しても死なない親父はあっけなく死んだ。
それからの俺は…何もかもがどうでもよくなった。あんなに頑張った空手をやめて、兄妹のために働くことにした。
学校も行かなくなった。
いちゃもんをつけて絡んてくる奴と何度となく喧嘩をして、いつの間にか不良…。
それでも…何を言われても…
兄妹を守れるのは俺だけだ…絶対に守り通すと決めた。

”皆…後悔のない人生を歩んでほしいな…“

俺は今…どんな人生を歩んでるんだろうな…


「うらっっっ!!」

バシッッッッッ!!

バシッ、バシッッ!!

「お前ら、もう終わりかよっっっ!!」

雨に打たれ厳つい男達が倒れこんでいる。

「もう、俺にからむんじゃねーぞ…次はこんなんじゃ終わんねーからな…」

はぁ…仕事着がぐしゃぐしゃだ…最悪…

「…にゃ~にゃ~…」

アイツは大丈夫か?あっちの方に逃げたよな…

「…びしょ濡れじゃない…っ。

えっ…何か…赤いっ、血?」

「にゃ~…」

「…どうしよう…っ。」

女の声がする…?

ガサッ

木を掻き分け、中を覗くと…
そこにはびしょ濡れになった彼女がいた…。
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