トシノサ恋 〜永久に…君に〜 番外編
After Story…好きとヤキモチ ⑤新井 光編
ガラッ
「新井先生っっ!」
「おう、沢村か…、どうした?」
放課後に、教室で仕事をしているとクラスの生徒が教室のドアの前に立って俺をじっと見ている。
「…………っ」
「なんだ?黙り込んで…今、テスト期間中だろ?早く帰って勉強しろよ…っ。」
そう言って今日のテストを採点しながら沢村の顔を見ることなく、手を動かし続けていた。
沢村は明るくて教師の俺にも冗談を飛ばしてくる奴でいつもクラスの中心にいるような生徒だ。
どこにでもいる生徒の一人。彼女を特別扱いをしたことなんて一度もなかった。
だから…その瞬間まで何も考えてなかった。
「…先生…新井先生…」
彼女のいつもと違う声に顔を上げると、彼女が俺を見つめて顔を赤くしている。
「………?」
次の瞬間…彼女は走って俺の腕を掴んでいた。
「沢村…?」
「…先生が好き」
「……………」
え…?好き?
「…えっっ!!!?」
思いがけない言葉に固まってしまう。
「先生が1年の時からずっと好きだったの…」
沢村は、真っ赤になりながら俺の顔を見つめていた。
「…沢村、俺は…お前の先生だ。
そういうのは、クラスの男子に言えっ。」
そう言って、冗談を笑いとばすように彼女の頭を軽く触った。
その瞬間…
彼女は、大きな声で泣き出した。
「先生のバカ!!そんなのわかってるし。
本当は…ダメだってわかってるよ…
だけど、だけど…言わなきゃ、何も変わらないから…好きなのツライから…でも…笑うのとか、無視とか…しないでよ…っ。」
そう言って彼女はしばらく泣き続けた。
俺はそんな彼女をただ、黙って見守るしかできなかった。
「…沢村は勇気あるな。
いつか沢村に相応しいやつができたとき、また言ってやれ…。」
「私が聞きたいのはそれじゃない…」
そう言って彼女は、静かに教室を出ていった。
「気をつけて帰れよ…」
そう言って沢村を見送った。
「はぁ…」
そう言われても、黙って見守るしか…できねぇだろが…
教師になってから冗談で好きだの、何だの言われる事は何度もあった…。
だけど、生徒達は、俺が結婚している事を知っていたし、本気?で告白してくる奴なんているはずがないんだと思っていた。
好きかぁ…
ふと…紗和の顔が頭を過ぎる。
「…俺も昔…
あんなんだったのかなぁ…」
俺は頭をクシャとかきながら
窓の外の夏空を眺めた。
あれはたしか…もう10年前になるのか。
「新井先生っっ!」
「おう、沢村か…、どうした?」
放課後に、教室で仕事をしているとクラスの生徒が教室のドアの前に立って俺をじっと見ている。
「…………っ」
「なんだ?黙り込んで…今、テスト期間中だろ?早く帰って勉強しろよ…っ。」
そう言って今日のテストを採点しながら沢村の顔を見ることなく、手を動かし続けていた。
沢村は明るくて教師の俺にも冗談を飛ばしてくる奴でいつもクラスの中心にいるような生徒だ。
どこにでもいる生徒の一人。彼女を特別扱いをしたことなんて一度もなかった。
だから…その瞬間まで何も考えてなかった。
「…先生…新井先生…」
彼女のいつもと違う声に顔を上げると、彼女が俺を見つめて顔を赤くしている。
「………?」
次の瞬間…彼女は走って俺の腕を掴んでいた。
「沢村…?」
「…先生が好き」
「……………」
え…?好き?
「…えっっ!!!?」
思いがけない言葉に固まってしまう。
「先生が1年の時からずっと好きだったの…」
沢村は、真っ赤になりながら俺の顔を見つめていた。
「…沢村、俺は…お前の先生だ。
そういうのは、クラスの男子に言えっ。」
そう言って、冗談を笑いとばすように彼女の頭を軽く触った。
その瞬間…
彼女は、大きな声で泣き出した。
「先生のバカ!!そんなのわかってるし。
本当は…ダメだってわかってるよ…
だけど、だけど…言わなきゃ、何も変わらないから…好きなのツライから…でも…笑うのとか、無視とか…しないでよ…っ。」
そう言って彼女はしばらく泣き続けた。
俺はそんな彼女をただ、黙って見守るしかできなかった。
「…沢村は勇気あるな。
いつか沢村に相応しいやつができたとき、また言ってやれ…。」
「私が聞きたいのはそれじゃない…」
そう言って彼女は、静かに教室を出ていった。
「気をつけて帰れよ…」
そう言って沢村を見送った。
「はぁ…」
そう言われても、黙って見守るしか…できねぇだろが…
教師になってから冗談で好きだの、何だの言われる事は何度もあった…。
だけど、生徒達は、俺が結婚している事を知っていたし、本気?で告白してくる奴なんているはずがないんだと思っていた。
好きかぁ…
ふと…紗和の顔が頭を過ぎる。
「…俺も昔…
あんなんだったのかなぁ…」
俺は頭をクシャとかきながら
窓の外の夏空を眺めた。
あれはたしか…もう10年前になるのか。