あわよくば、このまま

里帆に励まされながら空白を埋めていると、不意に後ろから声がかかった。



「なにしてんの?」

「お、藤じゃん。おはよ」



藤!?



「はよー」


うぅ……。

なんだか藤の顔を見るの、少しだけ気まずい。


「お、はよ」


今の、少しきごちなかったかも……!

なんとか挨拶はしたけど、顔は下向いたままだったし。



あーもう!

昨日、私が告白を見ていたことを藤は知らないんだから、いつも通りでいなきゃ……!

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