あわよくば、このまま
藤怜也(ふじれいや)。
同じ中学出身で、……といってもよく話すようになったのは中3のときから。
去年は違うクラスだったけど、今年は同じクラスになった。
私の隣の席が藤で……って。あっ!
「もしかして、あたし邪魔?」
そう、今里帆が座っているのは、藤の席。
里帆の席は1番前で、私の席が1番後ろだから、集まる時は自然と私の席になってしまうのだ。
「いや、別にいいけど。……それ吉田の課題?」
ぎくり!
「ま、まぁそんなとこ?」
曖昧な私の返事に、里帆が呆れて溜息をついているのがわかる。