あわよくば、このまま

「里帆! ご飯食べよ!」


こんな態度で藤の横にはいられないので、お弁当をもって逃げるように里帆の元へ向かう。


「はーい。……ってあれ?」


私を見て不思議そうな顔をする里帆。

多分、いつもは私の席で食べてるからだろう。


流石に里帆も不自然って気づいちゃった……?


「伊織、今日委員会じゃなかった?」

「……へっ?」


でも、里帆の口から出たのは予想外の言葉。


あれ、そうだったっけ?



「秋宮」



不意に後ろから声がかかる。


「うわわっ!」


振り向けば、そこには藤がいて。


「今から委員会……って大丈夫か?」


驚きすぎたあまり、尻もちをついてしまった。

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