あわよくば、このまま
うぅ……。
ただでさえ今は藤に免疫がないのに、不意打ちは本当に辞めてほしい……。
いや、藤にそんな気がないのはわかってるけども!
「ちょっ、なにしてんの」
「あはは〜。なにしてんだろ!」
いやほんとになにしてんの私!
里帆に手を引っ張られて起き上がると、2人とも驚きで目を丸くしていて少しいたたまれない。
「忘れてたごめん! 委員会ね! すぐ行こう!」
急いで自分の机に筆記用具を取りに行き、先に廊下へと向かった藤を追いかける。
「お待たせ!」
「おー」
そう言ったきり、無言で歩き出す藤。
正直場所も把握してないので、大人しくその後ろをついていく。
「……」
「……」
……でも流石にここまで無言が続くと少し気まずい。