あわよくば、このまま

席に着いて黒板を見れば、自分の字がずらっと並んでいる。


ぼけっとしてたせいか、書いたのは覚えているけれど何を書いたのかまでは頭に入っていない。



リレー。借り物競争。障害物競走。

他にも色々種目があるけど、今年は何に出ようかな……。



「伊織、何に出るー?」 


気づけば近くまで来ていた里帆にそう聞かれる。

ていうか里帆の席1番前でしょ。


「勝手に移動していいの?」

「皆してるしいいんじゃない?」


そう言われて辺りを見渡せば、皆思い思いに席を立って話し始めていた。


よっちゃんも端に座ったまま何も言わないし、なんだか自由だな……。

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