あわよくば、このまま
「てかそろそろ10分経つな」
「あ、本当だ」
話に夢中になりすぎていつのまにか時間が来てたみたい。
「伊織〜、結局なんに出るのー?」
「二人三脚にする?」
「じゃあそうしよ!」
里帆と最終確認して、黒板へと向かう。
「怜也はどうすんだ?」
「俺は別に」
「なら借り物競走でようぜ!」
「はいはい」
後ろで苦笑いしながら藤もついてくる。
未だざわざわしてる教室。
体育祭が始まるという実感が少しだけ湧いてきたみたいで、みんなどこか楽しそうだ。
「じゃあ、今から決めていくのでーーー」
結局ざわついた空気は最後まで鎮まることはなく。
和気あいあいとした雰囲気で、体育祭の準備が始まろうとしていた。