あわよくば、このまま
②
「応援団?」
「そ! 怜也も一緒にやらないか?」
お昼休み。
里帆とお弁当を食べていると、藤に寺田くんが話しかけていた。
「"も"って、……まさか祐介」
「おう! 俺はやるぜ!」
意気揚々と言ってのけた声に教室中が騒つく。
「祐介まじでやるのか!?」
「寺田が? できるの?」
「体力持つかー?」
至る所から上がる心配の声。
でも、それもそのはず。
実は寺田くん、見た目に反して意外と運動音痴で、体力もあまりないらしく。
4月に行われた体力測定の結果を見せてもらったときに、少しだけ驚いたのは内緒の話だ。
「やるっつったらやる! みんなもやろーぜ!」
寺田くんはすごいなぁ。
流石と言うべきか、自分が決めたことは最後まで貫くつもりらしく、ものともしてない。