あわよくば、このまま
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青ブロックの人にお願いです!
青ブロック衣装係リーダーの住野まきです。
衣装係の人が少なく困ってます!
少しでも興味のある人、協力できる人は住野まで連絡よろしくお願いします!
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うちの学校では、4つのブロックに分かれて体育祭を行うんだけど、私たちのクラスは青ブロックでまき先輩のクラスもそうみたい。
「里帆、やるの?」
「んーどうしようかな。人が少ないって言ってもまだ準備始まったばっかだし、そのうち増えそうな気もするしな〜」
気づけば里帆はもうご飯を食べ終わったみたいで、お弁当箱を片付け始めている。
その手が妙にそわそわしていて、なんかちょっと楽しそう?
「もしかして、やってみたい?」
最後のおかずを口にしながら、からかうようにそう言えば、くるりとこちらを向いた瞳がきらきらと輝き出した。
「だってさ、出会いがあるかもじゃん!」
「え、そんな理由!?」
食べ終わったお弁当箱を片付けながら、ひそひそと囁かれた理由に普通にびっくり。
「そんな理由ってなによ、悪い?」
ぐっと里帆の顔が近づく。
その分、さっきよりも声は小さくなったのに凄みは増したような……。
「いや、そんなっていうのは言い過ぎたかも」
あはは……と苦笑いしながら目を逸らすと、さらに里帆が顔を近づけてきた。
「だって応援団の人たちの採寸とかするんでしょ? 仲良くなれるチャンスじゃない!?」
「な、なるほど?」
熱量は充分に伝わったけど、顔が近いよ〜。