あわよくば、このまま
「そういえば!!」
未だバクバクする心臓。少しだけ熱い顔。
それを誤魔化すように声を張り上げる。
「さっき、寺田くんと何話してたの?」
流石に話変わりすぎ!?
「あぁ、応援団やろうって話」
不自然じゃないかドキドキしながら藤を見るけど、特に疑うこともなく答えてくれた。
「そういや昼休みに話してたね」
思い出してそう言えば、まぁなといつもの返事。
ていうかいつも通りすぎない?
なんか私だけが動揺してるみたいで、いや実際そうなんだけど、藤にとってさっきみたいなことは別に特別なことじゃないんだろうか。
例えば女の子とぶつかって、その子の額が赤かったら、さっきみたいに触れるのかな。
なんだか、それは嫌だな。