あわよくば、このまま
4
①
「じゃあ一通り説明していくので──」
学校全体が着々と体育祭に向けた準備が進んでいく中、里帆と入った衣装係も活動が始まろうとしていた。
空き教室に集められた私たちに、まき先輩が大まかに衣装係についての説明をしてくれている。
「まぁ特に難しいことはないので、わからないこととかあったらなんでも聞いて下さい!」
最後まで説明が終わり今後のスケジュールが配られた後、簡単に自己紹介をして今日は解散となった。
「里帆! 来てくれてありがとう!」
「まきせんぱーい!」
ぎゅうっと目の前で抱き合う2人。
教室へと戻ろうとした私たちを見つけたまき先輩が素早く駆け寄ってきたのだ。
「伊織ちゃんもありがとね!」
そう言ってニコッと笑ったまき先輩は大人っぽくて、相変わらずの美人さん。