あわよくば、このまま
慎二先輩とまき先輩がニコニコしてるのを見て、丸く収まったことに安心してアイスを食べる。
ソーダの爽やかな味がしゅわっと口に広がって、最高に美味しい〜。
「……甘いね」
「……甘いですね」
隣でそう呟いた里帆と千咲先輩の手にはバニラアイス。
ソーダもいいけど、こってりした甘さのバニラも好きなんだよね〜。
「甘いのいいですね〜。バニラも美味しそう!」
2人の方を見ながらそう言えば、ぱちりと大きな目を瞬かせた千咲先輩。
里帆にはなぜか呆れたような目を向けられてしまった。
あれ? 何か変なこと言ったかな?
「どうしたんですか?」
「え!? えぇっと……「ソーダも美味しそうじゃん」
千咲先輩の言葉に被せるように口を挟んだ里帆は、さっきとは一変して暖かな目をしていた。
「バ、バニラもソーダも美味しいよね!」
千咲先輩の声が励ましてるように聞こえるのは気のせいかな……?
「ですよね〜!」
そう言って笑えば、まるで小さい子を見守るような目で2人から頷かれてしまったけど……。
……気のせい、だよね?
2人の態度に全く心当たりがないので、頭にクエスチョンマークを浮かべながらアイスを食べる。
ソーダ味のアイスは相変わらず美味しかった。