意地悪な副社長との素直な恋の始め方
思わずビクリとして目を開ければ、すぐそこに漆黒の瞳が見えた。

目が合えば、抱く欲望をごまかせない。
それでも、認めたくない。


「…………」

「偲月」

「…………」

「……偲月」

「……んっ……」

「偲月、口……開けろ」


唇を重ねる合間に名を呼ぶ朔哉の声に、抗えなかった。

蜜の甘さを味わいたい気持ちを、どうしても止められなかった。


唇を開き、深いキスを受け入れてしまえば、躊躇いは消え失せた。

< 25 / 557 >

この作品をシェア

pagetop