意地悪な副社長との素直な恋の始め方
忘れなくちゃならない恋
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朝ヨガ、シャワー、ヘルシーな朝ごはん、身支度を終え、時計を見てまだ寝ているナツに一応声をかける。
「ナツ! わたし、もう出るね!」
「んー、今日は撮影?」
返事は期待していなかったが、キャミソール姿で部屋から現れたナツが、アクビを噛み殺しながら訊いてくる。
「ごめん、起こしちゃった?」
「ちょうど、喉が乾いて起きるところだったから。今日はモデルの仕事?」
「うん。そのあとコウちゃんのところに寄って、この間撮った写真を現像させてもらって、それから月子さんのところに行く」
「お泊りするの?」
「うん。明日、朝からの撮影に付いて行くから」
「芸能人並みのスケジュールだけど、そのうち過労で倒れちゃうんじゃない?」
心配顔をするナツに、肩を竦めて笑い返す。
「大丈夫。もう、慣れた」
義理人情、友情に背を向けるようにして、引き継ぎ期間たった二週間で『YU-KIホールディングス』を去ってから、約一か月。
わたしの生活は、想像していた以上に激変した。