意地悪な副社長との素直な恋の始め方


そんなつもりはないと言おうと、壁の時計を見て……。


「ただいま、十九時ちょうどをお知らせいたしまーすぅ?」


シゲオのアナウンスに、愕然とする。


「う、うそ……」

(なんでっ!? さっき見たときは、まだ十八時前だったのに、なんでなんでなんでぇぇ) 


「も、もう行くね! シゲオ、ありがと!」


鞄を引っ掴み、慌ただしく従業員出入り口となっている裏口から飛び出した。

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