意地悪な副社長との素直な恋の始め方
このドレスが、多くのひとの手を経て造り上げられているように、『Claire』のドレスをシリーズ展開するというプロジェクトには、多くのひとが関わっている。
仕事だからと割り切っているひともいるだろうし、情熱を傾けているひともいるだろう。
それでも、そんなひとりひとりの協力や努力、献身が、プロジェクトを支えている。
モデルとして、わたしが身に纏うのは、『Claire』の作った美しいドレスだけではなくて。
いろんなひとの思いも――彼女の夢も、一緒に身に纏うのだ。
それはとても責任重大で、でも、とても光栄なことだった。
そう思ったら、自然とらしくもないことを口走ってしまった。
「あの……見た人に、このドレスを着てみたいと思ってもらえるように……頑張ります」