意地悪な副社長との素直な恋の始め方
「退院したら、お祝いしよ? 芽依も休みなら、わたしたちで料理作ってもいいし」
芽依は、『ザ・クラシック』を離れ、現在本社勤務中。来春には、研修と視察を兼ねて北米の提携ホテルに異動となる予定だ。
いろんな国のホテル事情、サービスを学び、どんなゲストの、どんな要望にも応えられるコンシェルジュになるのが、彼女の夢だ。
芽依は、その夢を叶えるために当分恋愛はお預けだと笑っていたが、いつか彼女が夢を叶えた時、一緒にお祝いしてくれる人が、その傍にいてほしいと思う。
そう願うことしか、いまのわたしにはできないけれど、芽依が助けを必要としていたら、朔哉と二人で駆けつけたい。
家族として。
姉妹として。