意地悪な副社長との素直な恋の始め方


喜ぶ偲月の様子に頬が緩む。

先走って、妻と、彼女が産んでくれた子どもたちと忙しなく、目まぐるしい日々を送っている未来の自分を想像してみた。

その姿は、母のご機嫌を取り、彼女のためにありとあらゆる望みを叶えようと奔走し、ただ笑いかけてもらうことにすべてをかけているような、父と重なった。

イヤな気分には、少しもならなかった。

なれるはずがなかった。


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