恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)
<ブランシュール城・温室・18時>

「いえ、失礼しました、別に・・」
アルは咳払いをして、スプーンを拾い上げた。

女子修道院で育ったのなら、当然だろう。
食事が終わると
テレーサはお祈りをしていた。

「テレーサ様、
料理人が決まるまで、俺が食事を作ります。いいですね」
承認を求めるのではない、
これは決定事項だ。

「わかりました・・お願いいたします」
姫君は素直にうなずいた。
・・従順・・

「あの、お食事はもっと、簡単で、スープとパンでかまわないので・・」
姫君は質素を美徳とするが、
俺は食事を楽しみたい。

「だめです。俺にまかしてください」
アルは速攻却下した。
食事管理も教育係の仕事だ。

いくら美人でも鶏ガラのようでは
困る。
華奢なのはいいが、
骨ばっているのは御免だ。

抱きごこちが悪いのは、ちょっと・・・

アルの下心発想がフル回転していると、
テレーサはうつむいた。

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