恋愛計算は間違える（アルバートとテレーサ）

アルはダイアナに確認するように言った。

「奥様って・・あの黒髪の女の肖像画か！！・・」

テレーサはあの絵を見て、
喘息発作を起こした、
いや過呼吸か・・・・

俺は生き延びるために何でもやったが・・・・
テレーサはどこかで、生きることをあきらめたのかもしれない。

夜に眠る時、
次の朝が来なければいい・・
そんな毎日を送ったのか・・

あの奥方が死んだ。
そしていきなり閉じ込められていた籠が・・なくなった。

しかし、
籠からは出られない鳥のようだ。

最初から自由を知らないから・・
飛び立つことを知らない。
籠から出ようとはしない・・・

ダイアナが考えにふけっているアルを見て、言った。

「あなたが、いてくれてよかったわ。
私が死体の第一発見者になるのは嫌だもの」