恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)

ブランシュール城・書斎・数日後 24-25ページ

<ブランシュール城・書斎・14時・>

「あなたは領主として、何ができますか?」

書斎でアルは、テレーサの隣に座った。
机には近隣を含めた大きな地図が、広げられている。

ブランシュール家は岩塩で莫大な富を得て、領地を広げた。
しかし、
岩塩がすたれた後は、財政が圧迫する度に、領地を切り売りしたのだろう。
「・・お祈りと、オルガンを弾く事・・ではないですよね」
テレーサが自信なげに言った。

「ここは教会ではないので・・
領主とは経営者です。
領地の繁栄を考えなければ」

あの、奥方の肖像画を燃やした時から、
テレーサはすこし変わってきたとも思えた。

雰囲気はだいぶ柔らかくなっている。
1日3回、一緒に食事を取っていると、何となく信頼関係ができてきている気持ちがする。

食事の時は、アルがほとんどしゃべり、テレーサがうなずくだけだったが・・
一人で食べるよりかはいい・・
俺にとっても・・・

それにテレーサの頬も少しピンク色になってきた。
健康のためにもやはり飯は重要だ。
飯を食わなければ、やる気も起きない。

寝室も客間に変更させた。
そこはダイアナがうまくやってくれたので助かった。

「ここの領地の特性は・・
岩塩抗の跡と、オレンジですかね」
資金も何もない・・

事業をどうするのか・・・
アルは宣言した。
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