恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)
「どうでしょう、
ママレードを作って、売りさばいて、資金をまずつくりましょう」
原料のオレンジなら、腐るほどなっている。
砂糖があればいい。
原価率は低く抑えられる。
初期投資がほとんどいらない。
テレーサは思いがけない提案に、
驚いたような顔をしたが
「ジャムなら・・修道院で保存食としてよく作りました。
ママレードも・・・」
考えながら答えた。
この城には資金がないから大きな商売は無理だが・・
小さい事でもやれば、何かのきっかけになることもある。
行動して、考えるというアルのポジティブな発想が始動した。
「試作をしてみましょう」
銀灰の姫君はうなずいた。