恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)
<ブランシュール城・玄関・15時45分・リエットの帰宅>
アルが館に向かうと、
リエットがちょうど出てくる所だった。
「街まで送ってくださる?」
リエットがにこやかに言った。
アルは、やや大き目な声をあげた。
「あのな・・!ここには・・」
リエットは勝ち誇ったように、
余裕で
「あらぁ、また来るわよ・・
それに彼女には、コウノトリの
捕まえ方も教えるわよ」
アルは赤くなった・・・
こんなことは久しぶりだが・・
大きくため息をついた。
「だから・・!!」
リエットにはかなわない・・
客を手玉に取る百戦錬磨の強者だ。
リエットは少し真顔で、
「これで、
彼女が嫉妬してくれれば・・
脈ありでいいんじゃない?」
「脈をみる前に、信頼関係をぶち壊す気かっ!!」
アルは大声を出した。
リエットは、アルの様子をいぶかし気に見た。
「それでは・・あなたは・・
本気なのかしら?」