恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)
しばらくして・・アルは答えた。
「俺は・・彼女を幸せにしたい・・と思っている」

アルは自分で言いながら
<俺はこんなにも純情だったか>と自問自答していた。

「だけど、時間がないんだ」

リエットはあごに手をやり、
納得するようにうなずいた。

「そうね・・言い訳は・・
私が滑りそうになって、
助けようとして、自分も滑ったというところで、どうかしら?」

そんな言い訳、いったい誰が信じるか?

アルは投げやりに答えた。
「ああ、わかった。車を出すから」

リエットにはかなわない事を、
アルはよく理解していた。

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