恋愛計算は間違える(アルバートとテレーサ)
<街の婦人服店・15時20分>

「これは私からの結婚お祝いで、
贈らせてもらうわ。
あとで、どうなったかガールズ
トークをしましょうね」

リエットはそう言うと、
颯爽(さっそう)と試着室から
出て行ってしまった。

リエットが店から出ようとすると、
アルがむこうの通りから
大きなかごを抱えて走ってきた。

「あらぁ、アルバートさん、
おひさしぶり」

アルは息継ぎも苦しそうに、
立ち止まった。

「テレーサと・・・会ったのか?」
リエットは余裕の笑顔をみせた。

「そんな怖い顔しなくても、
いいじゃない?会ったわよ。
ドレスも一緒に選んだから」

アルは眉間にしわを寄せた。
それを見て、
リエットはあおるように

「ブランシュールさん、
とってもかわいいのね。
パパが心配するのも、わかるわ?

でも、私が教育係になったから・・あなたのパパ仕事は廃業よ」
「え・・?」

アルがうなった。
「教育係って・・・・
うーん、何を吹き込んだんだ・・」

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