王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
執事は姫が大事

【二階堂のデート】

「お待たせしました」
待ち合わせの駅に、二階堂が向かう。
「え?二階堂さん?」
「え?あ、はい」
「か、カッコいい…///」
「え?」
「あ、いえ!行きましょう!
何が食べたいですか?」
「小夜さんが決めてください」
「………」
俯く、小夜。

「小夜さん?」
「やっぱ、嫌ですか?椿姫じゃないから」
「え?」
「嫌そうだなって……」
「僕は本来、嘘が嫌いです」
「え?」
「なので、いくら椿姫様のお友達でも嫌であればお断りしますよ」
「二階堂さん…」
「ただ、こうゆうの久しぶりなので、緊張してます。
それこそ椿姫様のお友達なので、ご迷惑にならないようにと……」
「そうなんですね。
あ、私は二階堂さんの主人ではないので、もっと砕けて話して下さい!
本来の二階堂さんは、どんな方なんですか?」
「本来のとは?」
「うーん。例えば“僕”なんて友達には使わないでしょ?丁寧な言葉も使いませんよね?」
「そうですね。
椿姫様の執事になる前は、真逆でした」
「真逆?」
「椿姫様には内緒にしてほしいんですが……
学生の頃、喧嘩ばかりしてたんですよ。補導なんていつもされてたし……」
「え?全、然…想像つかない……」
「フフ…椿姫様には言わないで下さいね」
「はい、秘密ですね!」

二人はラーメン店に移動した。
「本当によかったんですか?」
「え?私も、ラーメン好きですよ」
「でも、イタ飯とかフレンチとか……」
「フフ…」
「小夜さん?」
「椿姫に頼まれたんです!」
「え?」

「できる限り、二階堂さんの意向にそってあげてほしいって。
二階堂さんにデートを楽しんでもらいたいって」
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