王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「は?」
「貴方自身が汚いから、小夜さんが汚く見えるんでしょうね。小夜さんがかわいそうです」
「なんだよ!?お前」
春人が二階堂の胸ぐらを掴んだ。

「いえ、思ったことを言っただけですよ。
僕は、嘘嫌いなので!」
「やんのかよ!?」
「僕は弱い相手とはやりません」
「はぁ?」

「ちょっと、春人!やめてよ!」
「うるせー!お前は黙ってろ!」
ドン━━━━━!!!
「キャッ…!!」
止めに入った小夜を突き飛ばす、春人。

「小夜さん!?」
小夜に駆け寄る、二階堂。
「大丈夫……です…」
「傷を見せてください」
「………」
「擦り傷だけみたいですね。このまま、椿姫様の屋敷に参りましょう。そちらの方が近いし、後から車でお送りできるので」
「二階堂さん…」

「てめぇ…」
春人が二階堂の後ろから肩を掴んだ。

ガッ━━━━!!!
「お前、女に怪我させてとことん最低だな……」
「んー!んー!」
一瞬で春人の口元を塞ぐように掴んだ、二階堂。

「しかもこの方は、俺の命より大切な方のご友人なんだよ!?
怪我させるなんて、いい度胸してる。
さぁ…どうされたい?」
「んー!んー!んー!」
頭を横に振る、春人。
「あ…二階堂さん!大丈夫ですから、やめて下さい!」
「あ……小夜さん…
貴女がそうおっしゃっるなら……」

再度春人に向き直ると、ブンッと振るように春人を投げた。
地面に叩きつけられる春人。
「いいか…次、傷をつけるようなことしたら、俺が許さない。必ず地獄に落とす!
俺の顔、忘れるなよ!」
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