王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
小夜と共に屋敷に帰る、二階堂。
「おかえり~!あれ?小夜?」
「椿姫様、申し訳ありません!大切なご友人に怪我を……」
「え!?怪我?二階堂がいて、どうして!?」
「申し訳ありません!椿姫様!」
「小夜?大丈夫!?」
「うん、でも二階堂さんのせいじゃないよ!
どちらかというと、守ってくれたの」
「そう…とにかく、手当てしないと!」
「うん…」

「大丈夫ですか?」
「はい……」
手当てをする二階堂をジッと見つめる、小夜。
「小夜さん?」
「さっきの…」
「え?」
「さっきの二階堂さん、別人みたいでした。あれが本来の二階堂さんなんですね」
「あ…すみません。お見苦しいところを……」
「いえ、カッコよかったです。とても。
でも…確かに椿姫には、見せれないかも…?」
「ですよね」
「あんな姿見たら、椿姫…怯えて大変ですもんね」
「はい、椿姫様には免疫がないようなものですから」

「何の話?」
「え?内緒…!」
「えー!そうなの?怪しい……
二階堂、教えて?」
椿姫が話に入ってきた。

「いえ、内緒です」
「二階堂まで…まぁいいか!今日、楽しめた?」
「うん、二階堂さんとてもカッコよかったよ!」
「よかった!二階堂は?」
「はい、とてもいい休日でしたよ!」
「よかった~!また、いつでも言ってね!私は大丈夫だから」
「二階堂さんが、よければね!」
「え?」
小夜の言葉に、椿姫と二階堂が小夜を見た。

「やっぱ、鈍感だ!」
「小夜?」
「二階堂さん、たまには素直になった方がいいですよ。
椿姫も、もう少し二階堂さんのこと見てあげて?」
「え?」

「じゃあ…帰るね~」
「あ、送ります!」
「結構でーす」
そう言って、屋敷を出ていった小夜だった。
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