王子と姫の狂おしい愛～結婚生活編～

そして屋敷に帰りついた二人。
川下はもう帰りついていた。

｢おかえりなさいませ。椿姫様、井高さん。
お出かけですか？｣
｢川下さん！クレープ買いに行ってたの。後からみんなで一緒に食べない？｣
｢はい、嬉しいです！
あ、でも琥珀様はお嫌いなんじゃ……｣
｢琥珀は今日遅いから、帰ってくる前に食べちゃお？｣
｢フフ…かしこまりました！｣

そして二階堂も帰ってきた後、四人でお茶をする事に。
｢フフ…なんか楽しいね！｣
｢そうですね。普通なら椿姫様と同じ席につくなど、許されないのに………｣
川下が申し訳なさそうに言った。

｢いいの！琥珀がいたら色々言うけど、私だけだから遠慮しないで！
ね？食べよ？｣
四人は楽しく笑いあいながら、お茶が進んでいく。

｢井高さん、今日はありがとね！｣
｢え？｣
｢ワガママ聞いてくれたから｣
｢いえ、あんなのワガママとは言いませんよ！
それを言うなら、琥珀様はどうなるんですか？｣
｢え？琥珀？｣
｢琥珀様は凄いですよ？
急いで買ってこいとか、一秒で持って来いとか｣
｢確かに、そうですね。私もよく叱られます。
今日はコーヒーの気分じゃないとか、椿姫と一緒じゃないと嫌だとか｣
｢凄いですね、琥珀様｣
二階堂も驚いている。
｢もう、琥珀ったら！私からも言っておくね！
二階堂は不満ない？私に｣
｢は？｣
｢………ってあっても言えないわよね…？｣
｢そんなわけないですよ｣
｢だったらいいんだけど……
私はみんな仲良く一緒に暮らしていきたいの。
だから、何かあったら遠慮せずに言ってね！｣
微笑む、椿姫。

それを二階堂達は、優しく微笑み返した。