王子と姫の狂おしい愛～結婚生活編～

椿姫が出ていった後のリビング。
食器等を片付けながら、話す三人の使用人。

｢ある意味、椿姫様は奥様らしくないよな…！｣
井高が言う。
｢そうですね。私達と同じ席につくばかりか、私達と仲良く一緒に暮らしていきたいなんて……｣
川下も賛同する。

｢椿姫様は、昔からあんな方だよ。
優しくて、穏やかで、純粋なご令嬢。
俺達といつも対等に話してくれる。
どこにいても、周りを気遣って……｣
｢そうだな。俺の心配とかする人だもんな…！あれはびっくりしたなぁ｣

｢フフ…お二人は、椿姫様がほんとに大好きなんですね！｣
｢は？｣
川下の言葉に、二階堂と井高がびっくりして川下を見る。
｢お二人共、椿姫様が愛しいって顔してますよ？｣

｢大切な方だよ。俺の命よりも……｣
と、二階堂。
｢俺も大事だよ。俺も命をかけてお守りしたい｣
と井高も言った。


川下はそんな二人を見て思う。
椿姫様も罪な方だな。
琥珀様だけでなく、二人の心まで奪ってしまって………
まぁ…私も、椿姫様が好きだけど！

二人は今の関係以上を望んでいない。
きっとずっと椿姫の傍で大切に、大切に守り続けるだろう。


執事は姫が一番大事なのだから。