王子と姫の狂おしい愛~結婚生活編~
「は?」
「じゃねぇと、俺から離れてくじゃん!仕事したいとか、一人でお買い物行く!とか言い出しかねないからな!」
「それに、僕の仕事がなくなります!そんなの、許されません!」
「僕なんて、余計に傍にいれなくなる!最近、僕にも頼ってくれるようになったのに……!」
「え?皆さん、何を?」

「だからご実家でも花嫁修行、頑なにさせなかったんですから!」
二階堂が言う。
「そうですよ。僕だって川下にも念押しして、あまり椿姫様に家事などを教えないようにさせてるんですから!」
井高まで、そんなことを言い出した。

「お前等、そんなことまで企んでたのかよ!?」
「「当たり前です!」」
執事二人が、ハモった。

「あ、琥珀様!この前のお弁当は、例外ですからね!」
二階堂の言葉。

「やっぱ、お前等…似た者同士だな。
まぁ…俺的には、椿姫が傍から離れなければ問題ねぇからいいが!」

「何なの…?この人達……」
「でもよ、なんでそんなこと言い出したんだ?」
「ですね。椿姫様、あまりそんなこと言ったことなかったのに……」
「………はっ!お前まさか…椿姫様に何か言ったんじゃ……」
「え……?」
井高の言葉に明らかな動揺を見せる、野村。

バン━━━━!!!!パリーン………!!!
ガッシャーン!!
突然のグラスや皿が割れる音に、会場中が騒然とする。
琥珀が、野村をテーブルに押しつけるようにしていた。

「お前……椿姫に何を言った!!?」
「私は、何も……」
「ふざけるな!!
言え!!!」
凄まじい雰囲気の琥珀。
野村は、恐ろしさから身体が震えていた。

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